まさか、救急車で高速を走るなんて、
あまりに申し訳ない気分だったけど、
これもまためったにできない経験で、
でも、絶対に繰り返したくない経験なのだけれど、
ここでもやっぱり知らなかったことを知った。
搬送先が決まるまで、
本当に長い時間がかかった。
実際には、魚沼基幹病院、大和病院、十日町病院、
そして長岡赤十字病院、と、4つの病院に問い合わせの電話を
合計5回。
それも、だめだと言われれば、すぐに電話を切るので、
時間的に見ればそう長い時間ではなかったはず。
でも
担架で救急車に乗るということは、
即座に出発して、病院に向かうはず、
ということしか描いていなかったので、
この時間はある意味、気の遠くなるような時間だった。
私はいったいどうなるんだろう、かと。
実際はというと、
痛かった右足も、安定していればちっとも痛みは感じず、
むしろ、けっこう冷静に救急隊長の電話を聞いていた。
テレビで見てるようなことが現実に私に降りかかっている、と。
そして、
もっとも驚いたのは、
隊長のかけた数回にわたるその電話の、
応対の丁寧さだった。
電話の相手はもちろん、病院。
素人は怖い、と、手術の時も感じたけれど、
素人から見れば、救急隊員と病院は仲間。
お互いに同じ志を持つ同志という感覚だ。
ところが、
何度となく私の受け入れ先を探してくれた隊長さんの口調は、
私たち、接客業と同じ口調だったのだ。
‘もしもし、魚沼市消防です。
いつもお世話になっています。
患者さん、〇〇代女性、転んで云々云々?
そうですか、あー、だめですか。。。。
‘
‘あ、そうですか、はい、わかりました。
すみません、また宜しくお願いいたします’
と、すべての病院にこんな感じなのです。
それも、とてもとても丁寧、
そして、意外なほどの低姿勢。
電話に向かって何度も丁寧にお辞儀を繰り返す。
なんてありがたいこと。
これはいったいどういう関係性なんだろうか?
なんだかとても不思議な感情が湧きあがった。
もしかして、
救急隊員さんも、私たちと同じ、いや
それ以上の’超’接客業なのかも、と思ったのです。
だから、
このたびの、私を無事に長岡赤十字病院まで運んでくれた
魚沼市消防チームには、
本当に感謝です。
あなたたちがいなかったら、
私はもしかしたら結婚式の日に間に合わなかったかもしれないし、
もっともっと痛い思いを引きずっていたかもしれない。
そして、
この螺旋骨折を見事につなげてくださったS先生。
先生の顔を見ると、なぜかもう治った気にさせられる。
そう言うチカラって、けっこう威力があるんです。
リハビリのS先生もまた、
気を紛らわさせながら、けっこう痛いことやってくれちゃって、
でも、リハビリはリラックスしながら、着実に成果が見えました。
お世話になった、
整形外科の看護師さんたち。
その美人たるや、そして、イケメンたるやに、
初めて見たときはびっくりしましたよ!
人生は排せつとの戦い、そんな中で、
若い彼女彼らが、嫌な顔一つもせず、つきあってくれる。
当たり前だけど、当たり前じゃないのが人間。
だからこそ、
みなさんの仕事ぶりに頭が下がる私でした。