美味しい地元食材の調理方法は
すべてばあばから習いました。
ばあばが好きでないもの、得意でないものは、
あまり本人も作らなかったので、
そういう食材の取り扱い方は、周りのご婦人たちから習います。
そんな初心者だった私ですが、
よそさまに、食用菊の食べ方を伝授したり、
糸瓜(なますうり)の処理の仕方を義姉に教えたりと、
気が付けばすっかり’うおぬまびと’。
今ちょうど盛りのなのが、
この食用菊’おもいのほか’。
’おもいのほか’美味しい!
こんな意味が込められているようですが、
おもいのほか、ということは、
食べるまではわからなかった、ってことですよね。
山菜を処理するたびに思いますが、
これを最初に食べよう!と思った人って、
本当に勇気あるなぁ、と。
さらに、
いくら食用でも、菊を食べるのには抵抗のあった私。
花は愛でるもの、という先入観が強く、
なかなか菊を美味しい、と思うには時間がかかりました。
でもね、シャキシャキっと上手にゆであがった時の
あの歯触りの美味しいこと!
習うより慣れろ?ってことかしら。
さて、
菊を食べるまでには、面倒なステップがいくつかあります。
まずは、
菊の花を散らす、こと。
これ、私にとっては
フキやズイキ(芋がら)の皮をむく作業と同等レベルの苦手さ。
最後までは散らしません。根元のあたりは残します。
なんでだろう、でも、ばあばはそうしていたからね。
こんな感じ。
これを佃煮風に煮ることもありますが、それはちょっと苦手なので今はしていません。
散らし、終了。
その間にたっぷりのお湯を沸かしておきます。
そこに、酢をいれます。一回しくらい。
紫色がきれいに出るように。
そして、菊を数回に分けて入れます。
入れたら、全体に素早く広げて、
菜箸で、菊全体がお湯に浸るように沈めていきます。
この間、ほんの数十秒かなぁ。
茹ですぎるとシャキシャキしないし、
また、
全体がきちんとお湯に浸っていないと、
菊の色が茶色く変色します。
何度となくやってみて、ようやくコツがつかめました。
さぁ、ゆであがり!
バットに岡上げします。
けっして、水にさらさない!
素早く広げて冷まします。
一番好きな味は、
辛子酢醤油!これ以外では食べたことがないかも。
ほんのり後から香る辛子が
菊のクセとよく合うので、おすすめです。
さて、
ここら界隈でも
そろそろ、冬支度が始まりました。
紅葉もそろそろ終盤ではあるのですが、
この終盤の枯れた木々を抱える山のなかに、
鮮やかな黄色のもみじが見えるんです。
それがまるで山が燃えているようです。
菊の季節が終わると
そろそろ冬だより。
食材で季節を感じる私。
周りの家の囲いの進み方で季節を感じるあるじ。
冬が近そうね。