今日は、
宝巌堂の’改築記念日’です。
12年前の今日は、
きっとまだ仕事が終わっていなかったろう。
なんだか思い出すとどきどきする!
2004年4月27日、
宝巌堂は今現在の佇まいになりました。
私たちが栃尾又に戻ってきたのは
昭和天皇の崩御の年。
昭和に別れを告げ、平成の時代になり、
私たちも都会暮らしから、
栃尾又暮らしのスタートを切りました。
ばあばとじいじが頑張って営んできたこの宿も、
私たちが戻ってきた時は、
古くて、ぼろくて、結構すごかったのです。いろんな意味で。
でも、
2人の手掛ける料理は手作りで美味しくて、
当時のスタッフのお掃除は隅々まで行き届いていました。
友人知人からは、
宿を建て直すんだよね、と期待されていて
戻ってきた私たち。
まずは、
廊下の壁があまりにきたなかったので、
あるじと一緒にペンキで塗りましたよ。真っ白にね。
今では考えられないけど(ま、昔だってびっくりしたけど)
客室に鍵がなかったので、簡易鍵を取り付たり、
スリッパを新しくしたり、
歯ブラシもすんごいいいものにしたり、
浴衣も変えたね、名前入りですよ。
あと、すこーしだけ値上げもした。
こんなふうに細かいことをちょっとずつ変えてきたけど、
なんかこれ、私が思い描いていたのをちょっと違うなぁ。。。
こういことをしたかったんじゃないよ。
建て直すんだよね?この建物。
でもさぁ、
きっともう、このままなんだよね、と
あきらめていたとき、
あれやこれやと、ようやくすべての条件が整い、
建て直しならぬ、’大改築’となったのでした。
栃尾又に戻ってきてから
19年の月日が経っていました。
そして、あれから12年。
この12年もまた
本当にあっという間でした。
常連さん、お馴染みさん、そして、
宝巌堂を好きでいてくれるお客さんで、
いつもいっぱいの宿にしたい。
最初はなかなか思うようにはいかなかったけれど、
ふと振り返ると、
あれ?今日は来てくれたことある人ばっかりだ、とか、
あ、今年の年末年始はいつもの顔ぶれだ!とか、
この週末は常連さんばっかり!とか、
無我夢中だったけれど、
きっと毎年少しずつ、
そういう一日が増えていったんですね。
本当に感謝です。
ばあばはめでたく宿屋業を引退し、
娘は小学生から20代になり、
私とあるじも40代から50代になりました。
まだまだ、干支が一回りしただけです。
これからも
お客様と一緒に
素敵に年を重ねていきたいと思っています。
宝巌堂にかかわってくださるすべてのみなさんへ、
これからもどうぞよろしくお願いいたします!