林檎騒動!

ご存知の方も多いですが、

改めまして、

私の実家は浅草で林檎屋という小さな果物屋を営んでいました。

有名などぜう飯田屋の隣でした。

その昔はとんねるずが、飯田屋でご飯を食べた後、

隣の林檎屋で果物を買ったという、父がよく話していました。

残念、会えなかったけどね。

 

林檎屋が店を閉めてからもう10年近くになります。

ウチが果物屋だったというその跡は、

もう私たち家族の記憶にしか存在しないですが、

その記憶がいまだに鮮明、かつ、強烈で、

今も事あるごとに、

子供時代の林檎屋のことは蘇ってきます。

DSC05272

 

今日は、

ネットでこんなニュースを見つけました。

 

’青森リンゴ、硬いと苦情

実は新鮮の証し’

 

え??なにこのニュース。

ありえないでしょ!

 

林檎屋、というくらいですから、

林檎にはうるさい、ってわけじゃないんですが、

こうした間違った情報が、果物に対して流れることは

なんだかとても残念な気分なんですよ。

 

小学校の頃、

林檎が給食に出ました。

蜜のたっぷり入った、だから、中心部の色が透明な濃い黄色に変わってた。

それを見た同級生が先生に、

’私の林檎にカレーが付いてます!’って

言ったの!

そしたら、先生が、ニコニコして、

’西條さん(私の旧姓)、どうしてこの林檎の色がこうなっているのか

説明してみて’って、

言ったんですよね。

その時、きっと私、意気揚々と、得意気に言ったと思う。

’それは林檎の蜜です!’って。

 

硬くて、身が締まっていて、

蜜がぎっしりと入った、美味しいリンゴでした。

 

林檎は新鮮な時はとても硬い。

そのまま保存しておくと、

食べれないことはありませんが、どんどん柔らかくなります。

ここら辺ではそういう林檎を

’ボケ林檎’っていうんです。

ボケた林檎、すごい言葉ですよね。

ばあばから教わりましたが、

実はばあばはボケ林檎が大好きなんですー!

 

果物には美味しい食べ時ってありますよね。

それを見極めるのが一番難しいのは、

新潟県の名産の洋ナシ、ルレクチェだと思います。

黄色くて綺麗なうちはまだ硬い。

綺麗な黄色が、

茶色ぽくなって、頭が黒くなって、全体的に傷っぽくなって、

なんだかちょっと汚い~ってなったときが

実は食べごろだったりする。

食べごろを見極めないと、

ありえないくらい渋さが残ります。

 

マスクメロンは、

王冠印のクラウンメロンが文字通王様の味です。

面白いことに、熟れすぎても、王様は王様。

でも、お客さんに売るにはちょっと品質が落ちるんです。

それを、半分個して私たちきょうだいで分ける。

なんていう王様食いでしょう!

いいメロンは熟れすぎても実はめちゃくちゃおいしいんです。

噛めない、まるでジュースです。

これって、果物屋しか知らないね、きっと。

宿屋で言うところの、賄いの味かもね。

メロン屋さんには、でも、やっぱり、それは熟れすぎですよー、と

言われました~。

だよね。

 

冬みかんの美味しいのは、

なんといっても一番小さいサイズ。

そして、皮の剥きにくいもの。

へそがへこむようなへちゃむくれの形のもの。

これが一番美味しい。

宝巌堂で年末に市場に注文する冬みかんは、

SSサイズです。

 

 

 

小さな小さな果物屋でした。

父は果物をほとんど食べない人だったのに、

どうして店に並んでいた果物は

どれもこれも、美味しいものだったんだろう。

大人になってから知ったことですが、

取引してた問屋さんは、

あの神田万惣の分家の問屋だったらしい。

その問屋さんは、なんと千疋屋さんの取引先でもあり、

ということは、小さな林檎屋も千疋屋と同じ果物を

売っていた、ということ。

ミーハーな私は、それだけでもう、めちゃくちゃテンション上がったなぁ。

でも、同じなのにどうして価格が違うのか?

聞いたことがあります。

いわゆる高級果物店の果物は、

極上の中の極上品。

美味しいミカンの箱からさらに形も色も厳選するのだそう。

それは手間もかかるし、当然味も超一流になりますね。

やっぱり高いのには、きちんとした理由がある。

納得でした。

 

朝ごはんのデザートには

必ず果物をご用意しています。

当初は、夜じゃなくて、朝に果物を出すの?と

不思議がられましたが、

果物は朝、が、お決まり。’朝の果物は金’ですからね。

 

それも、そう大量にご用意するわけではないので、

果物はちょっと高くても美味しいものに限ります。

 

自分じゃ、実はほとんど食べないんですよ、果物。

あら、

なんだ、父と同じだった。

だから、たまに食べるときは、美味しいものをちょっとだけ。

 

美味しい林檎を食べましょう!

 

 

 

 

2 Comments

  1. concon

    この四ヶ月に3回お邪魔したconconです。
    (最後のルレクチェ、小出駅近くのスーパーでゲットし、美味しくいただきました。)

    クラウンメロンのまるでジュース、28年前のこの時期に堪能したのを思い出しました。歌舞音曲の自粛が続く中、宴会やパーティも激減したとかで、余ったメロンが果物屋さんの店頭にゴロゴロしてました。週に2、3回は熟し切ったメロンを買って、ゴクゴクと飲むように食べていました。大きな完熟メロンが千円くらい、それを過ぎたものはもう500円くらいでしたね。数ヶ月は続いたので、あの時に一生分のクラウンメロンを食べてしまったような気がしています。
    今でも半分に切ったときの匂いや、ジュースでタプタプしている様子が蘇ります。

    というわけで、私たちは知っている!でした。

    1. 栃尾又温泉 宝巌堂

      conconさま!いつもありがとうございます!
      ルレクチェ、無事に買えてよかったです。美味しくてよかったー。
      クラウンメロンのジュースっ、ホントに美味しいですよね。でも
      あれができるのはクラウンだからなんですよ~!
      それ以外のメロンはやっぱり味が違ってきます。
      ’知っている’!

コメントを残す