’宝巌堂 お膳の隅の ちょっと剥げ’

こんばんは、

新潟県魚沼市の山合の温泉地’栃尾又温泉’

心がほどける五感を愉しむ 宝巌堂 の

野菜大好き若女将、星智子です。

 

コロナ禍のこの3年間、

様々なところで、

お客さまの意識も

私たちの意識も、

以前とは変化しているのを感じます。

 

例えば、

お一人さまで湯治プランの場合でも

お食事処で食べたい、

と言うご希望もいただくようになりました。

 

そして、今現在,

お一人さま湯治プランの場合は、

変わらずに、お部屋へご用意していますが、

お二人さま以上の場合は、

湯治プランでも

お食事処でご用意するようになりました。

 

コロナ禍で、

お客さまのお部屋にはできるだけ入室しない、

と言う状況になってから、

事前にお布団をご用意させて頂いたり、

出来るだけ一度にお料理をお運びしたり、

その流れで、

’お部屋にお料理をお運びすること’自体が

だんだん減っていきました。

 

一度その流れが始まると、

私たちもできるだけ、

’お食事はお食事処で’

という意識が根付いてきました。

 

と同時に、

50年以上使用していた’お膳’が

この3年で、さらに朽ちてきて、

ぼろぼろになっているのがどんどん目立つようになりました。

使っていない、というのはこんなにも

退化を進ませるものなのですね、ちょっとびっくりです。

 

そして、とうとう、

思い切ってその大部分を昨年、

処分したのです。

 

なかなかに、つらい。。というか、

寂しい決断でした。

あって当たり前でしたからね。

でも

まったく無いのは、困る!ので、

状態のいいものを少しだけ残しました。

残したものはプラスチック製。

 

よくよく見ると、

お膳の足が折れております。。。何度も修復した。

 

処分したものは木製で本漆のモノでした。

軽くて持ちやすくて、本物はやっぱり違う、という感じだったのですが

それでも、

さすがの経年劣化は否めなかった。。。

修繕するにももう無理でした。

 

少しでもお食事を楽しんでいただけるように、

お食事処の居心地もさらに上げていくように

またいろいろと考えていきます。

お部屋食を楽しみにしてくださっているみなさん、

本当に申し訳ありません。

どうかご理解をよろしくお願いいたします。

 

’宝巌堂

お膳の隅の

ちょっと剥げ’

 

30年以上も前、

年配の常連さんが、

食べ終わった後のお膳の上に載せた紙一枚。

そこに詠んであった句です。

 

そのころから宝巌堂のお膳は空前の灯だったのね。

思わずばあばと大笑いしたのでした。