栃尾又温泉は昔から3軒の共同浴場としてやってきました。
理由は源泉がデリケートなため。
また、37℃前後という気持ちのいいぬる湯を
そのままの温度で、加熱をしないで入っていただくため。
そのためには各宿に温泉を引かずに、
一箇所の集中の方が、質も温度も保てるのです。
そして、浴槽の大きさも、現在の広さ以上に大きくは出来ません。
ぬる湯がどんどん冷たくなってしまいますからね。
共同浴場は銭湯感覚ですが、
違うのは、温泉に入る時間が長いということ。
最低でも1時間は浸かっています。
銭湯ではちょっとありえませんね。
1時間という時間は、カラスの行水派の私にとっては
気の遠くなるような長さです。
本を読んだり、たまにうとうとしたり、
一緒に入ったばあばとおしゃべりしたり、
いろいろしないと、間が持てません。
お客様とて同じこと。しかも
3軒のお客さまが同じ温泉に入るのだから、
そこで知り合った方が、とても仲のよいお仲間になることも
多々あります。
それはそれで、わたしたちにとってもとても嬉しいことです。
でも、
温泉入浴はおしゃべりをする場、社交の場ではないんですね。
久々に温泉で再会して、話が弾み、声も話の輪も大きくなると
その輪に入らない人達にとっては
その声が、’うるさい’ということになってしまうのです。
これでは、温泉は癒やしの場でもなんでもない、
イライラが募る場となってしまいます。
特に、栃尾又温泉についていえば、
’湯治療養の場’という意味合いがかなりあります。
のんびり、ゆったり、精神も肉体もぜーんぶ温泉に委ねて
心から、体を癒やす場です。
社交の場とはまったくかけはなれています。
最近、こうした苦情を耳にすることが何度かありました。
お客さま同志で注意しあって頂くのが一番・・・、というより、それしかなかったので、
申し訳ない思いでした。
そしてこのたび、ようやく実現になりました!
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‘瞑想の時間’
午後3時から午後6時の間は
うえの湯、したの湯ともに
’瞑想の時間’でございます。
時間内の私語はやめましょう。
川の流れや木々のざわめき、また体についた泡がはじける音や、
自らの鼓動に耳を傾けながら、心静かにご入浴ください。
癒やしの温泉地づくりにご協力をお願いします。
栃尾又温泉管理組合
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このような看板をうえの湯、したの湯ともにかけました。
いろいろとご不便もあるかと思いますが、
栃尾又温泉をこれからもずっと大切に、後世に残していくためにも
是非ご協力をお願い致します。
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栃尾又ラジウム温泉 宝巌堂(ほうがんどう) 8室の小さな温泉宿です
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こんばんは。
>瞑想の時間
いいアイデアですね。
お客様どおしが、柔らかく気を使い合うのが理想ですが、難しいのでしょうね。
おしゃべりも、静かな入浴も、どちらも魅力的なだけに。
こんばんは!
思い切って瞑想の時間を設けてよかったみたいです。
お客様からの苦情みたいなものは
今のところないし。
きっと、同じように思っていた方がたくさんいるんだろうな。
なかなか万人向けというのは難しいですが、
栃尾又のスタンスはやはり、守って行きたいと3軒がみなそう思っています。
おいでませ、湯之谷へ!