不安な夜だったけれど、
病室から下をのぞけば、あら、花火見物客がどしどしやってくる。
あぁ、信濃川沿いだったんだ、そういえば、この病院は。
今晩は長岡花火。
その晩はなんだかぼーっとしていた。
初めての入院で不安です。
夕飯なんてらくらく食べちゃったし、血圧や熱も測ったし、
なんだかわからないけど点滴もしてるし、しかも何本も。
看護師さんはしょっちゅう来てくれるし、
トイレは行く必要がないし。
これに関しては、多くは書きませんが、
人生って排せつとの戦いなんだな、と、つくづく思いましたよ、私。
外では、
花火の音と光がけたたましく響いています。
これがまたありえないくらいの大きな音!
建物がどとーーんと揺れました。
翌3日は静かな朝でした。
これからどうなるのかなぁ。
‘骨折治療=手術をする’、ということに
あまり現実感がなく、どうやって治すんだろう、と
漠然と思っていました。
自然とくっつくのを待つ、って言うよね、骨って・・・。
だから、主治医となったS先生がいらして、
‘星さん、明日、手術しましょう!’と
おっしゃったときは、超うろたえてしまいました。
手術=麻酔、だったからです。
実は私、昔見たテレビドラマのせいで、
麻酔がとても怖いんです。
麻酔してそのまま寝っぱなしになったら、どうしよう。。。。。
帰ってこれなくなったらどうしよう・・・・・・。
でも、そんな不安は全く考慮されず(あたりまえかー!)
あっさりと4日に手術が決まり、
前日は何だか慌ただしい。
麻酔科の先生が、全身麻酔と局所麻酔の説明にいらした。
全身麻酔は怖いよーと思っていたのですが、
局所麻酔をどこにするか聞いたら、
なんと折れてる右足を動かさなくてはならない!
それ、マジで無理だし!!!と、
あっさり、全身麻酔に方向転換。
きっと戻ってくるから大丈夫!
付添いは義姉?がしてくれました。
私が目を覚ましてからすぐに
浅草の母に電話もしてくれました。
なにからなにまで本当にありがとう。
手術は無事に済みました。
麻酔が覚めたころ、そばで声がします。
S先生の声だ。
出血がどれくらいあったのか、看護師さんと話してた?ような?
30mmくらい?(え、たったのそれだけ?)もにゃもにゃ?、もにゃもにゃ?、
あとは意識を失って、
次に気がついたときは、義姉?の私を呼ぶ声でした。
よかった、無事に目が覚めたよー。
あとはもうリハビリをがんばるだけだね!
と、意気込んで目覚めた朝、
ありえないくらい具合が悪くなっていた。
お腹の調子はよかったのですが、
どうでも食べれない。
結局その日は、丸一日中何も食べれず、
臥せっていたのでした。
たまに、カーテンが開くと、
真向いの患者さんの声がします。
‘星さんはえらいわぁ、
痛いって、ちっとも言わない、ホントにえらいわ’
と。
カーテンから見えるたびにそうやって
私を励ましてくれてたんです。
呪文のように私の耳に届いていました。
本当にありがたかった。
そして翌日は!
あの具合の悪さはいったいどこへやら、
自分でも明らかに顔色が違うことがわかります。
鏡も見てないけどわかります。
声も出ています。
これでようやくリハビリのスタートラインに立てました!